2015/12/21

親心

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先日、親戚に不幸があり母親と通夜に行った。

 

母は8年前に父が他界してずっと1人で暮らしていたのだが、今年から兄夫婦が戻ってきて一緒に暮らすようになった。
85歳で足元もだいぶ弱ってきた。

 

いつも父の後ろを付いてきた母である。

 

アペックスの競技会には必ず父と観に来てた。
世界大会に連れて行きたいと思っていたが代表に選ばれた時には父は他界し母も体力的に海外に行く自信がないという事で断念した。

 

通夜の帰り、何か美味しいものでも食べて帰ろうか?と言うと母はすごく喜んでくれた。
外食など滅多にしない母である。
何食べたい?と訊くと
ゴボ天うどんが食べたいと言う。
他に何かあるだろうと思って、遠慮しなくていいよと言うが、どうしてもそれが食べたいと。

 

5年前、母を車で家に送る時に近所のうどん屋に寄った事があった。
母はその時食べたゴボ天うどんの味が忘れられないと言う。
その時と同じうどん屋に行き、ゴボ天うどんを母は注文した。
出てきた普通の何の変哲もないゴボ天うどんに手を合わせ、きれいに平らげ何度もありがとうと言う。

 

今まで自分が親にどれだけ迷惑をかけ、どれだけ心配させて生きてきた事だろうか。

 

360円のゴボ天うどんで心の底から喜んでくれる母親に胸が熱くなった。

 

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アペックス(APEX)

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